朝の突撃ミーティング
編集部の朝はいつも慌ただしい。しかし、今日はいつも以上にカオスだった。
「オサム!今日は『影の観察』に挑戦するわよ!」
リカ編集長が突然、砂時計と懐中電灯を持ってやってきた。どうやら新しい妄想研究のテーマらしい。影の観察がなぜ記事になるのかは、まったく分からない。
「編集長、それ、どう記事にまとめるんですか?」
「影は心を映す鏡なのよ。今日は街中で影の動きを観察して、そこに隠れた秘密を見つけてちょうだい!」
頭が痛い予感しかしない。
街中での影探し
とりあえず、言われた通り街に出た。編集部から支給されたのは懐中電灯、ノート、そして謎のカラフルなセロファン。
「影を観察して、何か特別なものを感じたら記録してね!」と編集長の声が脳内で響く。
歩きながら試してみると、確かにセロファン越しに見る影は普通と違って見える。青いセロファンを使うと影が少し薄く、赤いセロファンだとなんだか温かみを感じるような……。
しかし、結局ただの影である。
「こんなもので記事が書けるのか……?」
頭を悩ませつつ影を追い続けていると、隣に子どもたちが現れた。
「おじさん、何してるの?」
「影を観察してるんだよ。」
「へえ、じゃあ僕の影はどんな感じ?」
子どもたちの影をセロファン越しに観察し、「おお、元気そうな影だね!」と答えると、大はしゃぎで駆け回っていった。
その瞬間、影には確かに人の感情が映っているように思えた。
編集部でのフィードバック
編集部に戻ると、リカ編集長が目を輝かせて待っていた。
「どうだった?影の秘密、分かった?」
「ええっと、影にはその人の元気さや雰囲気が少し映るような気がしましたが……。」
「ほらね!やっぱり影は心を映すのよ!」
どうやら編集長の妄想は現実に近づいたらしい。しかし、それをどう記事にするかは僕の役目だ。
「締め切り、今夜中ですよね?」
「ええ、頑張ってね!次は『影の音楽』を調べるわ!」
そう言い残して、編集長は再び新しい妄想の世界に旅立っていった。
終わりに
影の観察が本当に記事として価値があるのかは分からないが、何か新しい発見を得た気がする。少なくとも、影を追いかけることで日常が少し楽しくなったのは間違いない。
編集部は今日も、リカ編集長の妄想に振り回されながら賑やかだった。