朝の編集部
今朝、編集部に入るとリカ編集長が満面の笑みで立っていた。
「オサム!今日は『音楽が人の時間感覚を操る可能性』について深掘りするわよ!」
どうやら新しい妄想研究テーマらしい。机に置かれた資料は、音符だらけのメモやグラフ、そして”時間”という単語が乱雑に書き込まれたホワイトボードだ。見るだけで頭が痛くなる。
「編集長、それ具体的にどうやって記事にすればいいんですか?」
「簡単よ。まず音楽を聞きながら、この砂時計の動きを観察するの。これで人の集中力が変わる瞬間を探るの!」
まさかの実験形式。いや、記事を書くんじゃないのか?
昼の妄想実験
編集部の一角で始まった実験。リカ編集長はラテン音楽、クラシック、テクノなどジャンルを変えながら砂時計を見つめ続けている。一方の僕はその様子を記録する係。
「オサム、この曲だと1分が早く感じない?」
「いや、僕はただ砂時計をひっくり返しているだけなので、何とも言えませんが。」
正直、音楽よりも編集長の集中力のほうがすごいと思う。
夕方の締め切り地獄
実験が終わった頃には夕方。結局、妄想研究の結果が記事になるどころか、リカ編集長はさらに別のアイデアを思いついたらしい。
「次は『音の高低が感情に与える影響』も調べてみたいのよ!」
「編集長、それはまた明日にしましょう。締め切りが近い記事がまだ残っています。」
締め切りを前にして、僕の一日は文字通り”振り回されっぱなし”だった。
終わりに
編集部を後にするとき、ホワイトボードにはまた新しいアイデアが書き込まれていた。
“音楽で心のタイムマシンを作る“。
この妄想が形になるのか、それとも次のネタになるのかは、編集長のみぞ知る。
今日も編集部は平和…いや、カオスだった。